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1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 09:00:54.56 ID:DhM4up220

以前書いた 唯「むかしばなし!」 というSSを書き直したものです 



3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 09:03:34.43 ID:DhM4up220

むかしむかし。 

と言ってもそこまで昔でもない、江戸時代くらいの話。 

日本のどこか。 

季節は冬。 

あるところに女の子2人で経営しているうどん屋がありました。 

でもそのうどん屋はまったく繁盛しなく、今にも潰れてしまいそうでした。 


ものすごく長いので3ぶんかつ!

 

4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 09:06:17.98 ID:DhM4up220

~第一篇~

――――

律「はあ……今日はお客さん一人も来なかったな……」

澪「ここ一月はまともにお客さん来てないからな……」

律「私と澪がこのうどん屋をはじめてからもう結構経つけど、流行ったことなんて一度もなかった……」

澪「そうだな……」

律「そろそろ生活も限界になってきた……」

律「お金がないと新しいダシの研究すらできないよ……」

澪「……」

律「もう店を閉めて別の仕事を探すしかないのかな……」

澪「律……」



5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 09:09:25.54 ID:DhM4up220

律「ごめんな……澪」

澪「え?」

律「こんな私についてきてくれて」

澪「何言ってんだよ」

澪「私達、幼馴染だろ」

律「うん……」

澪「それにうどん屋で成功するのは律の夢なんだろ?」

澪「こんな所であきらめちゃだめだぞ」

律「澪……」



6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 09:12:23.49 ID:DhM4up220

律「ありがとう……」

ドンドン!ドンドン!

さわ子「開けんかい!ゴルァ!」

澪「ひいっ!?」

律「まずい!お役人が来た!」

さわ子「居るのは分かってんじゃい!税滞納してんだよ!」ドンドン

さわ子「早く払え!」ドンドン

律「音立てちゃだめだぞ」ヒソヒソ

澪「……」ブルブル



7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 09:13:05.97 ID:sPK/gVeb0
年貢じゃないの?



8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 09:14:48.16 ID:DhM4up220

さわ子「ちっ、また来るからな!」

さわ子「税を払えなかったらSATSUGAIするぞ!」

律「……」

澪「……」ブルブル

律「澪、もう行ったみたいだぞ」

澪「……うん」

律「はあ……税か……」

律「もう税を払う余裕なんてないよ……」

澪「……」

律「私達はこれからどうすればいいんだ……」



10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 09:17:10.00 ID:DhM4up220

――翌朝

律「ふぁぁ……よく寝た」

澪「zzz」

律「今朝は冷えるな」

律「雨戸を開けよう」

ガッ、ガッ

律「ん?開かないぞ」

律「お役人が叩きまくるから建てつけが悪くなったんだな……」



12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 09:20:11.88 ID:DhM4up220

律「よし」

律「ふんっ!」ガラガラ

律「よし、開いた」

律「うお、雪積もってんじゃん」

律「……」

律「はあ……」

律「今日もお客さんは来ないのかな……」

律「……」

律「……ん?」



13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 09:22:49.93 ID:DhM4up220

律「あれは……」

律「!」

律「女の人が道に倒れてる!」

律「大変だ!」タタタ

律「おい!大丈夫か!?」ユサユサ

女「うぅ……」

律「よかった、生きてる」

律「家の中へ運ぼう!」



15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 09:26:56.08 ID:DhM4up220

――うどん屋

律「澪!おい澪!」

澪「ん……」

律「起きろ!」

澪「なんだよ、朝っぱらから……」ウトウト

律「道に人が倒れてて、ここまで運んで来たんだ!」

澪「え?人が!?」ガバッ

律「体が冷たいんだ!とにかく暖めよう!」

澪「わ、分かった!」



16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 09:29:43.09 ID:DhM4up220

――――

律「よし、これで大丈夫……なはず」

澪「そうだな……」

律「それにしても驚いたなー」

律「雨戸開けたら向こうに人が倒れてるんだもんな」

澪「でもなんでこんなところに?」

律「う~ん……」

律「本人に聞くしかないな」

澪「そうだな」



17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 09:32:37.32 ID:DhM4up220

澪「目を覚ますといいけど……」

律「うん……」

女「うぅ……」

澪「あ!」

律「お!目を覚ましたか!?」

女「ここは……?」

澪「うどん屋……まあ私達の家だ」

女「私はどうして……」



18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 09:36:09.96 ID:DhM4up220

律「道に倒れてたんだ」

律「慌てて運んだよ」

女「そうだったんだ……ありがとう」

律「いいってことよ!」

澪「私は澪だよ」

律「私は律」

女「じゃありっちゃんと澪ちゃんだね」

律(いきなりりっちゃんかよ)



19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 09:38:45.05 ID:DhM4up220

澪「名前は?」

唯「唯だよー」

律「唯か」

律「唯はどこから来たんだ?」

唯「えっとねえ」

澪「うん」

唯「……」

澪「……」

律「ん?どうした?」



20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 09:41:52.84 ID:DhM4up220

唯「あれ?」

律「?」

唯「お、思い出せない……」

澪「え……思い出せないって……」

唯「ここに来る前のことが思い出せない……」

律「え!?」

唯は雪が降る中、行き倒れになり衰弱していた。

律達に助けられたが、後遺症で記憶の一部を失っていた。



21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 09:44:17.40 ID:DhM4up220

律「唯……記憶が……」

唯「私……」

律「……」

澪「……」

律「と、とりあえず今はゆっくり休め」

澪「そうだな」

澪「まだ完全に回復したわけじゃないだろう」

唯「うん……」



22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 09:45:05.74 ID:DhM4up220

――夜

律「今日もお客さん来なかったな……」

澪「……」

律「……」

澪「なあ律」

律「ん?」

澪「その……唯はどうするんだ?」

律「どうするって?」



23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 09:46:12.53 ID:DhM4up220

澪「唯は私達に会う以前の記憶がないだろ?」

律「うん」

澪「だから帰るべき場所も分からないんだと思う」

澪「それが分かるまで面倒をみる人が必要だと思うんだ」

律「まあ……当然のことだな」

律「でも私達の家では面倒を見れるだけの余裕なんてないよ……」

澪「2人ですら限界に近いからな……」

律「……」

澪「……」

律「とりあえず数日様子を見てみよう」

律「もしかしたら何か思い出すかもしれない」

澪「そうだな」



24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 09:46:58.25 ID:DhM4up220

――――

唯「りっちゃん」

律「んー?」

唯「私お腹空いちゃった」テヘヘ

律「そっかー」

律「よし、まってろ」

律「うどんを作ってやる」

唯「わーい!」



25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 09:47:49.61 ID:DhM4up220

澪「昨日もい言ったけど、家はうどん屋なんだ」

澪「全く繁盛しないけど……」

律「うどんおまち!」ドンッ

唯「はやっ!?」

律「うちは速いだけがとりえだからな」

唯「いただきまーす!」

唯「……」ズルズル

唯(微妙かも……)

唯(味も薄い……)

律(うわっ……微妙そうな顔……)



26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 09:48:40.86 ID:DhM4up220

澪「ところで唯はこれからどうするんだ?」

律「どこか行くあてとかはあるのか?」

唯「それがね……やっぱり何も思い出せないんだ……」

澪「そうか……」

唯「あのっ……ここに置いてもらうのはだめかな……?」

唯「お店の手伝いとかもするから……」

律「唯……私達もここに置いてやりたいのはやまやまなんだが……」

澪「私達2人だけでも生活は限界なんだ……」



27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 09:50:30.42 ID:DhM4up220

唯「そうだよね……」

澪「ごめん……」

律「まあ、まだ元気になってないんだから今は休め」

唯「うん……」

律「よし!」

律「今日は久々に風呂でも沸かすか!」



29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 09:51:15.22 ID:DhM4up220

――風呂場

律「風呂沸かすのなんて何カ月ぶりだろう」

律「いつも垢すって水浴びるだけだもんな」

律「薪代だってばかにならないからなー」

律「ふー!ふー!」

律「よし、こんなもんだろ」

律「おーい、唯ー」



31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 09:52:24.13 ID:DhM4up220

唯「なあにー?」

律「先風呂入っていいぞー」

唯「え?いいの?」

律「大事な客人だからな」

唯「じゃ、じゃあお言葉に甘えて……」

律「ごゆくっり~」



32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 09:53:42.41 ID:DhM4up220

――唯入浴中

唯「はあ……」

唯「私はこれからどうすればいいんだろう……」

唯「……」

唯「て言うかお湯がすっごい熱い……」

唯「グツグツいってるし……」

唯「もう上がろうかな……」

唯「……」

唯「でもせっかく沸かしてくれたんだからもう少し入ろう……」



33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 09:54:48.42 ID:DhM4up220

――――

唯「も、もう限界……」ザバア

唯「ふう……」

唯「りっちゃ~ん、上がったよー」

律「お、そうか」

唯「いいお湯だったよ~」

唯(すっごい熱かったことは言わないでおこう……)

律「じゃあ私もはいってこよーっと」

唯「う、うん」

律「お風呂ーお風呂ーっと」

唯「ふう……」



34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 09:55:31.28 ID:DhM4up220

――――

律「よし、入るか」

律「よいしょ」ピチャ

律「あつ!?」

律「うおお……」

律「すげえ熱いじゃん……」

律「唯よくこんなのに入れたな……」

律「……」

律「……ん?」



35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 09:56:23.80 ID:DhM4up220

律「この臭いは……?」クンクン

律「……まさか」

律「……」スッ

律「……」ゴクゴク

律は唯が入った後の熱湯を飲んでみた

律「なん……だと……?」



36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 09:57:05.62 ID:DhM4up220

――――

律「おい!澪!」

澪「どうした?そんなに慌てて」

澪「風呂はもう入ったのか?」

律「そんなことよりこれを食べてみてくれ!」

澪「食べろって……これうどんだろ?」

澪「うどんなんて毎日飽きる位食べてるだろ」



37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 09:57:47.21 ID:DhM4up220

律「いいから食ってみろ!」

澪「わかったわかった」

澪「……」ズルズル

澪「……!」

律「ど、どうだ?」

澪「すごくおいしい……」

律「だろ!?」

澪「どうしたんだ?これ」



38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 09:58:28.98 ID:DhM4up220

律「ダ、ダシを変えてみたんだ」

澪「へえ」

澪「何でダシをとったんだ?」

律「あ、あの……」

澪「ん?」

律「その……ゆ……」

澪「え?」

律「ゆ、唯で……」

澪「……え?」



39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 09:59:11.96 ID:DhM4up220

律「だから唯で……」

澪「……ん?」

律「唯の入った後のお湯をそのまま使って……」

澪「へ、へえ~……」

律「で、でもおいしかっただろ?」

澪「まあ……そうだな」



40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 10:00:12.78 ID:DhM4up220

律「そこでな……これを店に出してみようと思うんだ」

澪「ええ!?」

律「こんなに美味しいんだぞ?」

律「絶対繁盛する!」

澪「……そうだな」

澪「期待はできそうだ」

律「よし!」



41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 10:00:38.36 ID:jPaCAZHZ0
これはwwwwwwwwwwwwwwww



42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 10:01:06.64 ID:DhM4up220

――翌日

律「……」

律「客こねー……」

律「もともと客来ないから味を広めようがない……」

律「……あ!」

律「おーい!そこのお嬢ちゃーん!」

純「え?私?」



43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 10:02:06.10 ID:DhM4up220

律「そうそう!」

律「ちょっとこっち来て!」

純(げっ、あんまり美味しくないうどん屋じゃん……)

律「ちょっとこれ食べてみて!」

純「でもお金もってないですよ」

律「お金はいらないから!」

純「タ、タダならいただきます」



44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 10:02:47.18 ID:DhM4up220

純(前にここのうどん食べた時は微妙だったからなあ……)ズルズル

純「……!」

律「どうだ!?」

純「すごく……おいしいです……」

律「ほんとか!?」

純「は、はい!」

律「そっかー!よかったあー」

純(ほんとに美味しい……)



45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 10:03:43.02 ID:DhM4up220

律「そこでタダの代わりに頼みがあるんだけど」

純「頼み?」

律「このうどんのことを町の人達に宣伝してきて欲しいんだ」

純「……分かりました!」

律「ほんとか!?」

純「はい!」

律「じゃあよろしく!」



46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 10:04:28.67 ID:DhM4up220

――――

律「ふふっ」

律「後は客を待つだけだ」ニヤニヤ

唯「りっちゃん、なんでニヤニヤしてるの~?」

律「これからいいことがあるかもしれないんだ」

唯「ふーん」

澪(ほんとに大丈夫かな……)

律「早く来ないかな~」



47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 10:05:22.74 ID:DhM4up220

客A「ごめんよ~」

律「お!来たか!?」

律「らっしゃい!」

澪「いらっしゃいませ」

客A「なんかここのうどんが美味しいって聞いたからきてみたんだけど」

律(よし!あの子ちゃんと宣伝してくれたんだな)

律「そりゃあもう!」



48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 10:07:17.57 ID:DhM4up220

客A「じゃあうどんを一杯もらおうか」

律「はいよ!」

澪(久々のお客さんだなあ)

律「へいおまち!」ドン

客A「はやっ!?」

律「速さがうちの売りだからな!」

客A「そ、それじゃあいただきます」



49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 10:09:32.41 ID:DhM4up220

律「……」ワクワク

澪「……」ドキドキ

客A「……」ズルズル

客A「……!」

客A「うまい!」

律「ほんとか!?」

澪「おお!」

客A「ああ、こりゃたまげた」

律「よっしゃあ!」

客A「これはみんなに教えてやらないと!」



50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 10:11:00.22 ID:DhM4up220

――――

その後、律達のうどん屋の噂は広った。

客足も少しずつ増えていった。

律「うどんおまち!」

客B「ほんとにおいしいなあ」ズルズル

純「こんにちはー」

律「おお!あの時の!」

純「お客さんいっぱいですね~」



52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 10:13:12.77 ID:DhM4up220
律「へへ!君のおかげだ」

律「えーと……」

純「私は純です」

律「純ちゃんか!」

律「よろしくな!」

純「はい!」

純「と言うことでうどんください!」

律「はいよ!」

唯「お客さんいっぱいだねー」

澪「そうだな」



53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 10:14:18.04 ID:DhM4up220

――夜

律「見ろ!今日の売り上げだ!」

澪「すごい……」

律「これも唯のおかげだな!」

澪「うん、それもいいけど……」

律「ん?」

澪「唯はこれからどうするんだ?」

律「ここに居てもらおう」

律「行くあてもないようだし」



54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 10:16:14.49 ID:DhM4up220

澪「そう……だな」

澪「……」

澪「でも唯にはほんとのこと話しておいた方がいいんじゃないか?」

律「う~ん……」

律「やっぱりそうか……?」

澪「うん」

律「……わかった」

律「話してみよう」



56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 10:17:44.85 ID:DhM4up220

――――

唯「りっちゃん!」

唯「最近お客さん多いね!」

律「そうだな」

澪「あのな……唯」

唯「なにー?」

律「ちょっと話があるんだ」

唯「え?私に?」

澪「そうだ」

律「実はな……」

律と澪は真実を唯に話した



57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 10:18:31.89 ID:DhM4up220

――――

律「……ということなんだ」

唯「……」

律「すまん……」

澪(唯、怒ってるな……)

澪(まあ本当の意味で自分をダシにされたんだから当然か……)

唯「りっちゃん……」プルプル



58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 10:20:36.66 ID:DhM4up220

律「はい……」

澪「唯……」

唯「すごいね!」

律「え?」

澪「え?」

唯「すごい!すごいよ私!」キラキラ

澪(お、怒ってない……?)

澪(むしろ輝いてる……)



60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 10:23:26.89 ID:QDRAKssv0
で?
唯うどんはどこに行けば食えるんですか?



61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 10:23:32.43 ID:DhM4up220

唯「そうかあ、私にそんな能力があったのかあ」

律「唯、怒らないのか?」

唯「え?なんで?」

律「ま、まあ気にしないでくれ」

唯「?」

律「それでだな……唯にはこのうどん屋に居て欲しいんだ」

唯「え!?」

澪「なんか利用するみたいで悪いんだけど……」

唯「ここにいていいの!?」

律「ああ!」

唯「ありがとう!」



62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 10:26:31.15 ID:DhM4up220

――――

こうして律、澪、唯の3人での新生活とも言うべきものが始まった。

最初唯がうどん屋にいる理由はダシのためであったが、共に暮らしていくうちに家族のような絆が生まれていった。

店も噂が広まり客も増え、繁盛していた。

律もうどん屋としての腕をあげていったのである。

しかしその一方で唯の記憶は戻っていないのであった……



63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 10:29:12.39 ID:DhM4up220

――――

客C「うどんくれ」

律「へいお待ち!」

客C「はやっ!?」

客E「うまいな~」ズルズル

さわ子「私にもうどんちょうだい」

律「げっ……お役人……」

さわ子「なによ」ギロ



64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 10:31:16.58 ID:DhM4up220

律「な、なんでもないです」フルフル

さわ子「まったく……さっさと税払いなさいよ」

律「すみません……」

客E「ぐへへ、澪ちゃ~ん」サワ

澪「ひゃう!?」

客Eの妻「なにやってんだよ!」バキッ

客E「いってえ!?殴るこたあねえだろ!」

客Eの妻「黙って食ってな!」



65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 10:33:49.26 ID:DhM4up220

唯「ひゃう!?だって~」

唯「澪ちゃん可愛い!」

澪「うう……」

唯「ねえ、もう一回言って!」

澪「ば、ばか……!」

唯「ちぇ~」

客F「唯ちゃん……ハアハア……」

純「うまい!」テッテレー

律「大盛況だー!」



66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 10:36:46.46 ID:DhM4up220

――閉店後

律「いや~、今日も大盛況だったな!」

唯「もうクタクタ~」

澪「唯も頑張って手伝ったからな」

唯「うん!」

律「はあ~、私も疲れた」

澪「じゃあご飯にするか」

律「そうだな」

唯「わーい!」



67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 10:40:12.64 ID:DhM4up220

――食事中

唯「そういえばさぁ」

澪「どうした?」

唯「私、この辺の土地のこと全然知らないな~って」

律「そうだな……よし!私が教えてやる!」

唯「教えて!りっちゃん先生!」

律「この辺の土地はな、琴吹氏って言う一族が治めてるんだ」

唯「へ~」



68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 10:43:03.76 ID:DhM4up220

律「町の向こうにお城があるだろ?」

唯「うん」

律「あれが琴吹城だ」

唯「そうなんだ~」

律「琴吹氏はな、代々琴の名手が多い家系なんだ」

律「それが名字の由来にもなってるらしい」

澪「琴吹氏の当主の娘も琴の演奏はかなりの腕らしい」

澪「しかも私達と同年代らしいんだ」



69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 10:45:02.52 ID:DhM4up220

唯「へえ~、りっちゃんって物知りなんだね!」

律「そうだぞ~」

唯「楽器が上手いなんて素敵だね~」

澪「実は私達も楽器をやっていたんだ」

唯「そうなの!?」

律「ああ、前な……」

律「生活苦しくなって最近遠ざかってたけど」

唯「どんな楽器をやってたの?」

澪「私は琵琶を」

律「私は太鼓だ」



70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 10:46:02.64 ID:DhM4up220

唯「すごい!私も楽器やってみたい!」

澪「そうだな~」

澪「唯は三味線なんかいいんじゃないか?」

唯「え?三味線?」

律「お~、唯なら似合いそうだな~」

唯「三味線……」

律「ん?どうした?」

唯「う、ううん」

唯「何でもないよ」

律「ん?そうか」



72:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 10:48:00.92 ID:DhM4up220

唯(三味線かあ……なんかひっかかるなあ……)

律「しっかし家の中なのに寒いな~」

澪「そうだな、隙間風のせいだな」

唯「そういえば、この家結構古そうだね」

澪「空き家だったのを私達が買い取ったんだ」

律「ボロいから激安だったぜ」

唯「へ~」



73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 10:49:06.68 ID:DhM4up220

律「隙間風は多いし、水を汲む井戸は遠いし……」

澪「修理してもすぐ別のとこが壊れてたよ」

唯「りっちゃん……結構苦労してきたんだね……」

律「そうだぞ~」

律「よし!うどん屋がもっと繁盛してきたら大きい家を建てて、店も大きくしよう!」

唯「おー!」

律「なっ、澪!」

澪「え……」

澪「私は……今のままでいいかな……」



74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 10:50:15.06 ID:DhM4up220

律「えー、なんで?」

澪「私は……この家が好きだから……」

律「いや!夢は大きく持たないと!」

唯「そうだよ!澪ちゃん!」

澪「そうかな……?」

律「そうなの!」



79:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 11:12:17.98 ID:DhM4up220

――ある日の道

女の子「はあ……お腹空いた……」テクテク

女の子「お城まではまだ結構距離あるなー」テクテク

女の子「……」テクテク

女の子「あ、うどん屋さんがある」

女の子「……」

女の子「この町に美味しいうどん屋があるって聞いたけど、ここの事かなあ」

女の子「……」グウ~

女の子「食べてこ……」

女の子「……」ガラガラ



80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 11:14:59.98 ID:DhM4up220
律「らっしゃい!」

女の子「うどんください」

律「はいよ!」

客G「おい、あれって……」ヒソヒソ

客H「ああ、そうだよな……」ヒソヒソ

女の子「……」

律(なんか客がヒソヒソしてんな)

律(よーし)



81:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 11:17:21.58 ID:DhM4up220

律「なにヒソヒソしてんのー?」

客G「おわ!?」

客H「驚かすなよ!」

律「ごめんごめん」

律「で?何?」

客G「ああ、それがな……」

客H「あそこに三味線背負ってる女の子いるだろ?」

律「ん?ああ、さっき入ってきた子か」



82:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 11:20:13.43 ID:DhM4up220

客G「あいつは多分、中野梓だぜ」

律「中野梓?」

客H「知らないのか?」

客H「三味線中野流の当主の娘だよ」

律「ええ!?中野流当主の娘!?」

律「どうしてうちの店に……」

律「……」

梓(うどんまだかな)グウ~



84:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 11:24:11.43 ID:DhM4up220

律「あ、そうだ」

律「いい機会だから唯に三味線見せてやろう」

律「お~い、唯」

唯「なあに~?」

律「いや、この前話した三味線を見せてやろうと思ってな」

唯「え、三味線……!?」

律「ああ」



85:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 11:26:30.63 ID:DhM4up220

律「あそこに座ってる女の子がいるだろ?」

唯「う、うん」

律「あの子が背負ってるのが三味線だ」

唯「……」

澪「どうしたんだ?」

律「ん、ああ」

律「あの女の子、三味線中野流の当主の娘なんだって」

澪「ええ!?」

澪「有名人じゃないか!」



86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 11:29:30.27 ID:DhM4up220

唯「……」スタスタ

律「あ、唯」

唯「ねえねえ」

梓「え、あ……私ですか?」

唯「うん」

梓「何ですか?」

唯「ちょっと外に行こう」

梓「え?」

梓「でもまだうどん食べてない……」

唯「いいからいいから」

梓「あ……」

律「あ、なんか唯が外に連れていったぞ」

澪「私達も行ってみよう」



87:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 11:33:20.98 ID:DhM4up220

――店の外

梓(私なんかしたかなあ……)

律「唯~、どうしたんだ?」

唯「ねえ、ちょっとそれ貸してくれない?」

梓「三味線ですか?」

梓「いいですけど……」スッ

唯「ありがとう」

唯「……」

律「お、似合ってる」



88:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 11:35:03.91 ID:DhM4up220

澪「結構様になってるな」

梓「あの……」

唯「ちょっと弾いてみていい?」

梓「あ、はい……」

梓(なんか真剣な表情になった)

律「弾き方分かるのか~?」

唯「……」

ベンベンベン、ベンベンベン

梓「!?」



90:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 11:40:39.08 ID:DhM4up220

律「唯……お前三味線弾けるのか!?」

澪「しかも相当うまいぞ……!」

唯「……やっぱり」

律「え?」

澪「やっぱり?」

唯「りっちゃん、澪ちゃん」

唯「私、三味線弾いたことある」

律「なにか思いだしたのか!?」



91:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 11:43:34.20 ID:DhM4up220

唯「思い出してはいないけど……」

唯「私、ここに来る前は毎日のように三味線を弾いていたような気がする」

律「そうか……」

梓「どうしたんですか?」

澪「ああ、実はな……」



93:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 11:49:54.44 ID:DhM4up220

――――

梓「そうだったんですか……記憶が……」

唯「……」

澪「そういうことで唯は私達で面倒みてるんだ」

律「まあ、今となっちゃあ家族みたいなもんだけどな~」

梓「そうですか……」グウ~

梓「あ……」

律「あー、ごめんごめん!」

律「うどんまだ出してなかったな」

梓「あ、はい……」

梓(恥ずかし~!)

律「さあさあ中へ」



95:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 11:53:04.32 ID:DhM4up220

――店の中

律「ごめんな~」

律「今から作るから」

梓「あ、はい」

梓(今から作るのか)

梓(じゃあまだ待つな……)グウ~

律「へいお待ち!」ドン

梓「はやっ!?」



96:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 11:56:40.74 ID:DhM4up220

――道

梓(うどん美味しかったなあ)

梓(それにしても、あの唯っていう人凄い三味線上手かったなあ)

梓(う~ん……)

梓(なんか今思うとあの人とどっかで会ったことがあるような……)

梓(……)

梓(気のせいかなあ)

梓(……)

梓(あ、お城もうちょっとだ)



97:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 11:59:34.30 ID:DhM4up220

――琴吹城

梓「やっと着いた……」

紬「梓ちゃ~ん!」

梓「あ!紬さん!」

紬「梓ちゃんが来るの待ってたわ♪」

梓「そんなに楽しみだったんですか?」

紬「ええ、すっごく!」

紬「友達と呼べる人は梓ちゃんしかいないから……」

梓「そうですか……」

梓(可哀そうな人だな……)



98:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 12:01:42.30 ID:DhM4up220

紬「お城にはしばらく泊まっていけるの?」

梓「はい!お世話になります」

紬は琴吹家の規則で城を自由に出入りできないため、同年代の友達が梓しかいないのである。 

琴吹氏は中野氏とは楽器の名手の一族同士として互いに交流がある。

そのため中野氏は琴吹城への出入りを許されていたのである。

紬「早く一緒に楽器を演奏しましょう!」

梓「はい!」



99:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 12:01:51.05 ID:EJPRtrG9O
SSでもゴキにゃんうぜー



100:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 12:04:11.47 ID:DhM4up220

――――

紬「少し休憩しましょう」

梓「そうですね」

紬「お茶淹れるわね」

梓「ありがとうございます」

紬「ねえ、梓ちゃん」

梓「なんですか?」

紬「また、町の様子を聞かせて?」

梓「いいですよ」

紬「ありがとう!」



102:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 12:11:59.39 ID:+uOekJwl0
やっぱむぎゅはどの時代でも天使なんだな



103:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 12:13:21.29 ID:DhM4up220

梓「そう言えば、今日ここに来る途中に町のうどん屋さんに寄ったんですよ」

梓「そこのうどんがすっごい美味しかったんです」

紬「私も食べてみたいわあ」

梓「そのうどん屋は女の子3人でやってるみたいなんです」

梓「多分私達と同じくらいの歳だと思います」

紬「そうなの~」

梓「しかも3人の中に唯って人が居たんですけど、三味線の腕がかなりの物だったんです」

梓「あれは三味線奏者として活動できる程ですよ」

紬「梓ちゃんがそこまで言うなら相当上手なのね」



104:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 12:15:16.04 ID:DhM4up220

梓「でもその唯って言う人は、過去の記憶の一部を失ってしまっているみたいなんです」

紬「え、記憶が……?」

梓「はい」

紬「そうなの……大変ね……」

梓「そうですね……」

紬「でもなんだか私もそのうどん屋さんに行ってみたくなったわ~」

梓「是非行きましょう!」



105:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 12:18:52.08 ID:DhM4up220

紬「でもお父様が許してくれるか……」

梓「お城の出入りをそこまで制限するのはおかしい話です!」

梓「説得すれば許可してくれるはずです!」

紬「そうね……!」

紬「私、お父様に頼んでみるわ!」

梓「はい!」



106:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 12:20:00.31 ID:DhM4up220

――殿の間

紬「し、失礼します」

紬父「おお、紬か」

紬父「どうしたんじゃ?」

紬「実は……お父様にお願いがあるんです」

紬父「おお、何か欲しいものでもあるのか?」

紬「いえ……あの……」

紬父「なんじゃ?」



107:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 12:21:06.57 ID:DhM4up220

紬「町にあるうどん屋さんに行ってはだめかしら……?」

紬父「町のうどん屋じゃと?」

紬「は、はい」

紬父「それは……だめじゃ」

紬「え……」

紬父「うどんが食べたいなら、うちの料理人に作らせよう」

紬「違うの!そのうどん屋に行きたいの!」



108:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 12:26:28.51 ID:DhM4up220

紬父「町は紬にとって危険じゃ」

紬「そんな……」

紬父「城の中でおとなしくしていなさい」

紬「もうお父様なんか知らない……!」ダッ

紬父「あ!紬!」

紬父「……」

紬父「むう……」



109:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 12:27:12.41 ID:DhM4up220
紬父「年頃の娘は難しいのう……」

紬母「あなた」

紬父「おお、おまえか」

紬母「あの子の気持ちも分かってあげたら?」

紬父「どういうことじゃ?」

紬母「あの子だって年頃の女の子」

紬母「友達も沢山欲しいだろうし、もっと遊びたいはずよ」

紬母「ずっとお城の中なんて可哀そうじゃない?」

紬父「むう……そうかのう……」

紬母「ええ、私はそう思うわ」

紬父「……」



110:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 12:28:31.57 ID:DhM4up220

――――

紬「……」スッ

梓「どうでした!?」

紬「許してもらえなかったわ……」

梓「そうですか……」

紬「どうして……」

梓「え?」

紬「どうしてお父様は分かってくれないの……!」

梓「紬さん……」



111:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 12:28:38.41 ID:H9sFgRfbO
唯澪が看板娘やれば普通に流行りそうな



112:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 12:30:03.15 ID:DhM4up220

梓「でも、それほど紬さんを大事に思ってるって事なのかもしれませんよ」

紬「……そうかな?」

梓「そうですよ」

紬「……そうね」

紬「さっきはお父様の前で取り乱してしまったわ……」

紬「私、お父様に謝ってくる」

紬「そしてもう一度落ち着いてお願いしてみるわ」

梓「はい!」



113:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 12:33:55.52 ID:DhM4up220

――殿の間

紬「失礼します」

紬父「紬……」

紬「さっきはごめんなさい……」

紬「つい取り乱してしまって……」

紬父「いや、わしも悪かったようじゃ」

紬「え?」

紬父「お前の気持ちを分かってやれてなかったようじゃ」



114:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 12:36:47.51 ID:DhM4up220

紬「お父様……」

紬父「これからは町に行ってもよいことにする」

紬「あ、ありがとうございます!」パアア

紬父「でも無断の外出はだめじゃぞ?」

紬父「ちゃんと断りをいれるように」

紬「はい!」



115:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 12:39:05.48 ID:DhM4up220

紬「じゃあ、早速そのうどん屋に……」

紬父「まあ、そう急ぐでない」

紬父「町に行ってもよいと言っても、わしの知らないとこにホイホイ行かせるのもちと心配でな」

紬父「まずは家来の斎藤に様子を見てきてもらうことにする」

紬「わかりました」

紬父「うむ、では早速向かわせよう」



117:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 12:41:41.39 ID:DhM4up220

――うどん屋

律「うどんお待ち!」ドン

客E「澪ちゃん今日も可愛いね~」

客F「唯ちゃん……ハアハア……」

斎藤「失礼します」

律(なんかどっかのお偉いさんみたいなのが来たな)

斎藤「店主はどちらに?」

律「あ、私でーす」



118:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 12:45:03.92 ID:DhM4up220

斎藤「これはこれは」

斎藤「私、琴吹家の家来の斎藤と申します」

律「え、琴吹家!?」

律(ホントにお偉いさんだった!)

斎藤「実は本日は、琴吹家当主の命令でこちらにきました」

律「当主の命令!?」

斎藤「はい」



120:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 12:46:17.15 ID:DhM4up220

斎藤「当主の娘であります紬お嬢様が、こちらのうどん屋に来たいとおっしゃってるのです」

律「ええ!?」

律「本当ですか!?」

斎藤「はい、ですので私が下見に来た次第でございます」

律「そうですか!」

律「じゃ、じゃあせっかくなんでうどん食べて行ってください!」

斎藤「はい、頂くとします」

律「へいおまち!」ドン

斎藤(速い……)



121:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 12:47:20.51 ID:DhM4up220

斎藤「いただきます」

斎藤「……」ズルズル

斎藤「……!」

律「どうですか?」

斎藤「うまい……!」

律「ありがとうございます!」

斎藤「これなら大丈夫そうですな」

斎藤「明日、お嬢様をお連れすることにします」

律「はい!」



122:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 12:48:39.55 ID:DhM4up220

――夜

澪「じゃあその殿様の娘が明日来るのか!?」

律「そうだぞ~」

唯「その人ってこの前話した琴の演奏が凄い人?」

律「ああ」

唯「へ~、私も会ってみたい!」

澪「と、殿様の娘が……来る……」プシュー

律「私達と同年代みたいだから話もしやすいんじゃないか?」

澪「で、でも……殿様の娘だぞ?」

律「大丈夫だって」

澪「う、うん……」

唯「明日が楽しみ~」



123:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 12:50:14.14 ID:DhM4up220

――琴吹城

紬父「うむ」

紬父「それなら大丈夫そうじゃな」

斎藤「私も問題ないかと」

紬父「ではその旨を紬に伝えてきてくれ」

斎藤「はっ」



124:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 12:51:13.04 ID:DhM4up220

――――

紬「じゃあ明日行ってもいいのね!?」

斎藤「はい」

斎藤「私も付き添います」

梓「よかったですね!」

紬「楽しみだわ~!」

紬「そのうどん屋の人達とお友達になれるかしら?」

梓「きっとなれますよ」

紬「うん!」

紬「梓ちゃんも一緒にいくでしょう?」

梓「はい!」



125:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 12:52:39.46 ID:DhM4up220

――翌日

律「そろそろ来るんじゃないか?」

澪「そ、そうだな」ドキドキ

唯「楽しみー」

律「あっ、あれじゃないか!?」

澪「すごい……馬に乗ってる……」

唯「すごーい!」

斎藤「紬お嬢様、到着しました」

紬「ええ」



127:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 12:57:25.05 ID:DhM4up220

律「……」ドキドキ

澪「……」ドキドキ

紬「こんにちは♪」

律「こんにちは~」

澪「こ、こんにひは!」

澪(声裏返った……)カアア

梓「こんにちは」

澪「あ、昨日の……」

律「どうぞこちらへ!」

紬「おじゃましま~す」



128:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 12:58:16.00 ID:+uOekJwl0
こればれたらやばくね



129:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 13:00:11.35 ID:DhM4up220

――店の中

紬「すごくおいしい!」

律「ありがとうございます!」

紬「すごいわ!」

唯「よかったね~、澪ちゃん!」

澪「う、うん」

紬「あの……一つお願いがあるんだけど……」

律「なんなりと!」



130:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 13:02:39.93 ID:DhM4up220

紬「私とお友達になってくれない……?」

律「え!?」

澪「え!?」

紬「だめかしら……?」

律「と、とんでない!」

律「こちらこそ宜しくお願いします!」

紬「ありがとう!」パアア

唯「わ~い!お友達!」



131:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 13:05:46.74 ID:DhM4up220

梓「よかったですね!」

律「私は律です」

澪「み、澪です」

唯「唯だよ~」

紬「私は紬よ」

梓「梓です」

唯「そう言えばキミは何でいるの?」

律(今さらっと酷いこと言ったぞ!?)



132:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 13:08:40.66 ID:DhM4up220

梓「私は紬さんの友達です」

梓「琴吹家と中野家は互いに交流があるんです」

澪「そうなのか」

律「……」ジー

梓「な、なんですか」

律「梓ってさー」

梓「はい」

律「猫みたいだな」

梓「え!?」



133:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 13:10:39.50 ID:DhM4up220

唯「あだ名はあずにゃんで決まりだね!」

梓「あ、あずにゃん……!?」

紬「あの……出来れば敬語もやめてもらえると……」

律「ええ!?そ、それは……」

澪「それは気が引けるというか……何というか……」

紬「せっかくお友達になれたのに敬語だとなんだか……」

律「わ。わかりました!」

紬「むっ」

律「わ、わかった!」



135:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 13:16:47.44 ID:DhM4up220

唯「じゃあムギちゃんって呼ぶね!」

律「いやあ、いくらなんでもそれは……」

紬「ええ、唯ちゃん♪」

律(いいんかい)

紬「そう言えば、唯ちゃんは三味線が凄いって聞いたわ」

紬「聴かせてくれない?」

唯「いいよ~」

梓「私の三味線使ってください」



137:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 13:18:41.83 ID:DhM4up220

唯「それでは……」

ベンベン、ベンベン

紬「す、すごいわ……」

唯「えへへ~」

律「なんか唯の演奏を聴いてたらもう一度楽器やりたくなってきたな~」

澪「そうだな」

梓「律さんと澪さんも楽器が弾けるんですか?」

律「……」

律「なあ、梓」

梓「なんですか?」



138:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 13:19:49.90 ID:DhM4up220

律「なんかその律さんって呼び方に違和感を感じる」

梓「そ、そうですか?」

澪(そうかな……)

律「聞くとこによると梓は私達より歳下みたいだな」

梓「そうですけど……」

律「だったら先輩って呼べ!」

梓「先輩!?なんの先輩!?」

律「人生の先輩……かな」キリッ

澪(あ、ちょっとかっこいいかも……)



139:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 13:21:06.02 ID:DhM4up220

唯「あずにゃん!私も私も!」

紬「ず、ずるいわ!」

紬「私も!」

梓「わかりましたっ!」

梓「わかりましたから、そんなに迫らないでください!」

唯「ムギちゃん先輩!」

紬「かっこいい!」

梓「で、律さ……ゴホンゴホン」

梓「り、律先輩と澪先輩は何の楽器が出来るんですか?」



140:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 13:22:57.56 ID:DhM4up220

律「太鼓だな」

澪「私は琵琶を」

梓「そうだったんですか!」

律「なあ澪~、私達もまたやろうぜ~」

澪「いいな」

唯「私もやる!」



145:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 14:00:59.49 ID:DhM4up220

梓「じゃあ今度みんなで演奏しましょう!」

紬「私もやりたいわ!」

唯「ムギちゃんは琴が弾けるんだよね?」

紬「そうよ」

唯「ムギちゃんにピッタリだね!」

紬「ありがとう♪」

その後も5人の会話は弾んだ



146:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 14:04:00.90 ID:DhM4up220

――――

梓「そういえば、ここのうどん凄いおいしいですよね」

梓「どうやって作ってるんですか?」

律「実はな……」ヒソヒソ

澪(教えるのかよ)

梓「ええ!?唯先輩でダシを!?」

紬「あらあら!」

梓「そんなのをお客さんに出してたんですか!?」

律「そんなのって何だよー」ブー

唯「あずにゃん、私ちょっと悲しいよ」



147:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 14:05:10.00 ID:DhM4up220

梓「いや、話としておかしいです!」

梓「新手の洒落ですか?」

律「洒落じゃねーよ」

梓「だいたい人間からダシとれるはずないです!」

律「実際とれてんじゃん」

唯「うんうん」

梓「それは……澪先輩はおかしいと思わないんですか!?」

澪「え……別に……」

唯「まあまあ、あずにゃん落ち着いて」



149:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 14:06:41.43 ID:DhM4up220

梓(私が変なのかなあ……)

紬(なんか話についていけなくなったわ)

斎藤「お嬢様、そろそろお帰りにならないと」

紬「楽しい時間はあっと言う間ね……」

律「またすぐ会えるだろ?」

唯「友達だからね!」

紬「みんな……ありがとう!」



150:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 14:08:02.99 ID:DhM4up220

紬「そうだ!今度はみんながお城に遊びにこない?」

澪「ええ!?お城に!?」

唯「行きた~い!」

紬「いいかしら、斎藤?」

斎藤「当主様に許可をもらわねばなりません」

紬「お父様なら許してくれるわ」

斎藤「では許可が降りましたらお友達はお迎えに上がりましょう」



151:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 14:09:11.98 ID:DhM4up220

――琴吹城

紬「只今帰りました」

紬父「うむ、どうじゃったかな?」

紬は今日の出来事を話した

紬父「そうか……友達ができたか」

紬「はい!とっても楽しい人たちです」

紬父(紬がこんなに楽しそうにしてるのは初めてみるのう)

紬「お父様……またお願いがあるのですが……」

紬父「なんじゃ?」



152:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 14:10:18.00 ID:DhM4up220

紬「そのお友達を、お城に呼んではだめかしら……?」

紬父「……」

紬「……」ドキドキ

紬父「よいぞ」

紬「ありがとうございます!」パアア

紬父「わしもその唯と言う者の三味線を聴いてみたいのう」

紬「はい!」



153:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 14:11:19.12 ID:DhM4up220

――後日

律「そろそろ迎えが来る頃だな」

唯「はやく行きたい!」

澪「なんか緊張してきた……」

律「あ!来た!」

律「て、馬が沢山!?」

唯「あれに乗って行くの!?」

澪「私が……馬に……」

澪「すごい目立つじゃないか……」

律「うおー!すっげー!」

唯「ヒヒーンって言ったよ!りっちゃん!」



154以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 14:12:01.33 ID:DhM4up220

――城への道

律「おおー、たけー」パカパカ

唯「すご~い!」パカパカ

澪「み、みんな見てる……恥ずかしい……」パカパカ

律「なんか偉くなったみたいだな~」パカパカ

唯「どうどう」ペシペシ

澪「うう……」パカパカ

律「お、ついた」

唯「おお~」

澪「目の前で見るとすごい大きいな……」

紬「みんな~」

唯「あ!ムギちゃん!」



174:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 15:52:18.66 ID:3Yd1uT3A0
>>154
> 紬「みんな~」

____         / ̄ ̄ ̄\
/_紬_ \      /  _梓_ ヽ
/  |´・ω・`|  \    /   |´・ω・`| \ みんな~
/     ̄ ̄ ̄   \  / _,    ̄⊂二二)
|  i          ヽ、_ヽl |        |
└二二⊃         l ∪  |          |
|   ,、___,    ノ    |    ,、   |
ヽ_二コ/   /     ヽ  / \  /
_____/__/´     __ヽノ____`´




159:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 15:03:00.15 ID:DhM4up220

律「おーす!」

紬「待ってたわ!」

澪「やっと降りれる……」

唯「池があるよ!りっちゃん!」

律「うお!鯉がいる!」

唯「鯉って美味しいのかなあ」

律「ははっ、食うな食うな」

唯「冗談だよ~」

澪「おーい、行くぞ~」

紬「こっちよ~」

唯「はーい」

律「今行くー」



160:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 15:06:35.21 ID:DhM4up220

――城内

律「広いなー」

澪「天井が高い……」

梓「あ、みなさんこんにちは」

唯「あ!あずにゃん!」

梓「唯先輩、こんにち……」

唯「とう!」ガバッ

梓「ちょ……急に抱きつかないで下さい!」



161:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 15:11:06.65 ID:DhM4up220

唯「あずにゃん分補給~」

紬「あらあら」

梓「離れてください!」

唯「ああん、いけず~」

紬「みんな、ちょっといいかしら」

律「ん?どうした?」

紬「お父様がみんなに会いたいって言ってるんだけど……」

律「お父様って……殿様が!?」

紬「ええ」



162:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 15:14:34.98 ID:DhM4up220

澪「と、殿様に……会う……」プシュー

律「澪、落ち着け」

澪「はっ」

澪「ははっ、私はいつだって落ち着いてるぞ」ガタガタ

律「震えてる震えてる」

唯「ほえ~」



163:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 15:16:26.18 ID:DhM4up220

――殿の間

律「……」ドキドキ

澪「……」ドキドキ

唯「……」ワクワク

紬「お父様、お友達を連れてきました」

紬父「おお、そなた達が紬の友達か」

律「そうです!」

紬父「話は聞いておるよ」

澪(聞いてるってどういう風に聞いてるんだろう……)



164:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 15:16:58.60 ID:dz055lEGP
まだ最初しか読んでないけどこんな店があったら毎日うどん食いに行く



165:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 15:19:35.67 ID:DhM4up220

紬父「これからも紬と仲良くしてやってくれ」

律「はい!」

紬父「ところで唯殿とはどちらかな?」

唯「あ、私です!」

紬父「うむ」

紬父「実は紬から唯殿は三味線の腕が相当なものだと聞いておってな」

唯「いやあ、それほどでも」デヘヘ



166以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 15:23:38.51 ID:DhM4up220

紬父「一つ演奏を聴かせてくれないかのう」

唯「はい!喜んで!」

紬父「斎藤、三味線を」

斎藤「はっ」

紬父「これでひとつ」

唯「では……」

ベンベン、ベンベン

紬父「おお……」

紬父「まさかこれほどの腕だったとは……褒めてつかわすぞ」

唯「ありがとうございます!」



172:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 15:30:59.62 ID:DhM4up220

紬父「ところで唯殿」

唯「はい?」

紬父「そなた……以前わしと会ったことはなかったかのう」

唯「え……」

唯「ごめんなさい、分からないです……」

紬父「ふむ、わしの思い違いかのう」

唯「……」

その後、唯達は楽器を演奏したりお茶をしたりと楽しい時間を過ごした。



176:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 16:00:24.55 ID:DhM4up220

――夜 うどん屋

律「いや~、今日は楽しかったな~」

澪「そうだな」

澪「久しぶりに琵琶も弾けたし」

律「色んな楽器があったもんな~」

唯「……」

唯(ムギちゃんのお父さんは私に会ったことがある気がするって言ってた……)

唯「……」



177:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 16:06:38.63 ID:DhM4up220

律「おーい、唯」

唯「え、あ、何?」

澪「どうしたんだ?」

澪「ボーっとしてたぞ?」

律「はしゃぎすぎて疲れたんじゃないのか~?」

唯「あはは、そうだね……」

澪「?」

律「今日は早めに寝とけー」

唯「うん」



178:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 16:09:55.57 ID:DhM4up220

――――

その後も唯たちは度々城を訪れては5人で楽器を演奏したり、お茶を飲んだりして楽しい時間を過ごし、

絆を深めていった。

そんな生活が続いたある日……

律「……」ズズ

律「……できた」

律「できたぞー!」

澪「!」ビクッ

澪「きゅ、急に大きい声出すなよ……」



179:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 16:14:37.48 ID:DhM4up220

律「できたんだよ!」

澪「なにができたんだ?」

律「新しいダシだよ」

澪「え?新しいダシ?」

律「このダシで作ったうどんだ」

律「食べてみてくれ」

澪「う、うん」

澪「……」ズルズル

律「……」ジー

澪「……!」

律「どうだ!?」



181:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 16:17:29.83 ID:DhM4up220

澪「すごいおいしい……」

律「だろ!?」

澪「ああ」

澪「でもどうしたんだ?急に」

律「いや~、いつまでも唯に頼ってばっかりじゃだめだからな」

律「お金にも少し余裕が出てきたし、新しいを味研究して完成させたって訳だ」

澪「そうだったのか」

律「梓もなんかダシ変えろって騒いでたからな~」



182:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 16:21:20.19 ID:DhM4up220

澪「おかしいです!って言ってたな」

律「あ、今の似てる」

澪「そ、そう?」

律「うんうん」

コンコン

律「こんこん」

澪「え?」

律「ん?」

澪「誰かきた?」



184:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 16:26:03.96 ID:DhM4up220

律「お客さんかー?」

澪「今日は定休日だぞ」

律「はいは~い」

ガラガラ

女A「こんにちは」

律「えーと……どちらさんで?」

澪(女の人が二人……)

女A「私は平沢憂と言う者です」

女B「私は真鍋和よ」

律「はあ……」



188:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 16:30:29.32 ID:DhM4up220

律(ん?平沢?)

憂「東の平沢城から来ました」

律「平沢城!?」

澪「え、じゃあ……」

憂「私は平沢家当主の次女です」

律「な、なんでうちに?」

澪「あの……今日は定休日……」

憂「お姉ちゃんらしき人がこちらに居ると聞いたので」



191:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 16:35:02.91 ID:DhM4up220

律「お姉ちゃん?」

和「唯のことよ」

澪「え?唯?」

律「じゃあ君は唯の妹さん?」

憂「はい」

澪「ん?待てよ……」

澪「と言うことは……唯は平沢家当主の娘ってことか!?」

律「ええ!?」

律(平沢家って言ったら東の土地を治めてる一族じゃないか……!)

律(唯はそんな身分の奴だったのか!?」



192:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 16:40:18.64 ID:DhM4up220

和「あなた達知らなかったの?」

律「あ、ああ」

律「なんせ唯は記憶が……」

唯「りっちゃん、どうしたの~?」

憂「お姉ちゃん!?」

和「唯!」

憂「お姉ちゃん!」ダッ

唯「え?お姉ちゃん?」

憂「……!」ギュッ

唯「え?何!?」



193:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/04(月) 16:52:26.90 ID:OzuPZZcYO
今夜はうどんにしよう



219:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/05(火) 00:25:01.69 ID:gy6Zy7ZM0

憂「お姉ちゃん……会いたかったよ……」

唯「あの……どちら様……?」

憂「え……私だよ、憂だよ……?」

唯「え?え?」

和「どうしたの?唯」

律「私から説明しよう……」

律は憂と和に道に倒れていた唯を助けたこと、そして唯は記憶を失ってることやこれまでの事を説明した



220:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/05(火) 00:29:30.32 ID:gy6Zy7ZM0

憂「そんな……」

和「まさか唯が記憶を失ってるなんて……」

唯「……」

律「あの~……」

律「そちらの状況も教えてもらえないかな?」

憂「そうですね……私が説明します」

憂「先ほども言いましたが、お姉ちゃんは平沢家当主の娘で私はその妹です」

和「私は唯の幼馴染で、今は平沢家専属の用心棒みたいなことをしてるわ」

澪「はあ」



221:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/05(火) 00:33:35.04 ID:gy6Zy7ZM0

憂「ちょっと事情があって、お姉ちゃんがお城を飛び出して行っちゃったんです」

和「最初はお腹空かしてすぐ帰ってくるだろうなんて思ってたのよ」

憂「でも夜になっても次の日になってもお姉ちゃんは帰ってこなかった……」

和「何かあったんじゃないかと思って、みんなで唯を探したわ」

和「でもそんなに遠くに行くはずもないと思って平沢家の領地内しか探さなかったの」

憂「そしてお姉ちゃんを見付けられないまま時が過ぎていった……」

憂「そしてある時、三味線の上手い短髪の女の子が琴吹家の領地のうどん屋さんに居るって噂を聞いたんです」

和「すぐにそれが唯だって思ったわ」

和「唯はもともと三味線が上手かったのよ」

律「そうだったのか……」



222:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/05(火) 00:36:26.95 ID:gy6Zy7ZM0

澪「しかし、唯が殿様の娘だったなんて……」

律「ああ、驚いた」

唯「……」

憂「ねえ、お姉ちゃん……何も憶えて無いの?」

唯「……うん」

憂「そうなんだ……」ジワッ

和「憂……」

憂「お姉ちゃん……せっかく会えたのに……」ポロポロ

律「……」

澪「……」

唯「……」



225:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/05(火) 00:41:34.40 ID:gy6Zy7ZM0

唯(なんだろう……)

唯(思い出せないんだけど……なんか懐かしい感じがする……)

憂「うう……」ポロポロ

唯「……!?」キーン

唯「うう……え……あ……」キーン

律「唯!どうした!?」

唯(あれ……なんか……!)キーン

憂「お姉ちゃん!?」



226:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/05(火) 00:43:29.37 ID:gy6Zy7ZM0

唯「……」

澪「大丈夫か……?」

和「もしかして何か思い出したの!?」

唯「ううん……思い出しそうだったけどだめだった……」

和「そう……」

唯「でもね……なんか懐かしい感じがする」

憂「お姉ちゃん……」



228:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/05(火) 00:49:00.30 ID:gy6Zy7ZM0

――――

和「じゃあ私達は帰るわ」

和「今、唯を連れて行っても混乱するだけだろうから」

律「そうだな……」

和「憂、帰るわよ」

憂「はい……」

和「じゃあとりあえず唯のこと、よろしくお願いします」

律「ああ」

和「それじゃあ」

律「うん」

憂「お姉ちゃん……」



229:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/05(火) 00:51:31.47 ID:gy6Zy7ZM0

――夜

澪「あれ?唯は?」

律「さっき散歩に行ったよ」

澪「散歩?こんな時間にか?」

律「まあ今日は色々あったからな……」

律「一人で考える時間も必要なんだろ」

澪「ああ、そうだな……」

律「しっかし……」

律「唯が平沢家当主の娘とはなあ……」



231:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/05(火) 00:53:52.54 ID:gy6Zy7ZM0

――夜道

唯(私が殿様の娘……?)

唯(信じられないよ……)

唯(これから私はどうすれば……)

唯(りっちゃんや澪ちゃんとの生活も楽しいし……)

唯(あずにゃんやムギちゃんと遊ぶのも楽しいから……)

唯(私……記憶が戻らなくてもいいと思ってた……)

唯「……」



232:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/05(火) 01:02:23.31 ID:gy6Zy7ZM0

――――

ごろつきA「おい、あれ見てみろよ」

ごろつきB「んあ?」

ごろつきA「あれだよ、あそこの一人で歩いてる女」

ごろつきB「ああ、あれか」

ごろつきA「ありゃうどん屋の奴だぜ」

ごろつきB「うどん屋って女だけのあのうどん屋か?」

ごろつきA「そうそう」



235:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/05(火) 01:08:35.42 ID:gy6Zy7ZM0

ごろつきA「なんでもそのうどん屋は最近儲かってるらしい」

ごろつきB「ほう」

ごろつきA「そのうどん屋の女が夜一人で歩いてる……」

ごろつきA「あとはわかるな?」

ごろつきB「まさか……」

ごろつきA「あの女を誘拐して身代金を要求すれば、たんまり金が手に入る」

ごろつきB「お前天才」



237:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/05(火) 01:13:28.47 ID:gy6Zy7ZM0

ごろつきA「ぐはは!そうと決まれば早速」

ごろつきB「よっしゃ」

唯「……」

ごろつきA「よう、嬢ちゃん」

唯「え?」

唯(何この人たち……!?)

ごろつきB「ちょっと俺達と来てもらおうか」グイ

唯「え……あ……」

唯(え!?何!?)

ごろつきA「うへへ」



239:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/05(火) 01:18:00.57 ID:gy6Zy7ZM0
――うどん屋

律「唯遅いなー」

律「まあそれだけ考えることがあるってことか……」

律「唯も大変だな……」

律「ふああ……」

律「寝むい」

律「先に寝ちゃおうかなー」

律「……」

律「……ZZZ」



240:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/05(火) 01:21:11.59 ID:gy6Zy7ZM0

――翌朝

律「まだ唯が帰ってない……!?」

律「どうしたんだ……?」

律「……」

律「捜しに行こう」

ガラガラ

律「ん?」

律「扉に何か挟まってるぞ」

律「これは……手紙?」

律「……」ガサガサ

「女は預かった。金を用意して西の廃村に来られたし」

律「!?」



242:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/05(火) 01:28:37.30 ID:gy6Zy7ZM0

律「こ、これって……」

律「唯が誘拐された!?」

律「た、大変だ!」

律「澪!起きろ!」

澪「う~ん……どうしたんだ?」

律「唯が……唯が誘拐された!」

澪「え?」

律「唯が何者かに誘拐されたんだよ!」

澪「なんだってー!?」

律「はやくいくぞ!」

澪「いくってどこに!?」

律「唯を助けにだよ!」



245:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/05(火) 01:30:48.09 ID:gy6Zy7ZM0

――西の廃村

ごろつきA「そろそろ来るんじゃないか?」

ごろつきB「そうだな」

唯(りっちゃん……澪ちゃん……)

ごろつきA「それにしても可愛い女だな」

ごろつきB「うへへ、このまま食っちまおうか?」ジリジリ

唯「いや!?」

律「唯!」

澪(うわ……怖そうな人達……)

ごろつきA「お、きたな」



246:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/05(火) 01:33:28.10 ID:gy6Zy7ZM0

律「唯を返してもらう!」

ごろつきB「金は持って来たんだろうな?」

律「持ってきた!」

ごろつきA「こっちによこせ」

律「ほら!」

ごろつきA「どれどれ」ジャラジャラ

ごろつきB「へへ、上等上等」

律「金は渡したんだ!唯は返してもらうぞ!」

ごろつきA「あ?何言ってんだ?」

律「え?」



248:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/05(火) 01:40:35.61 ID:gy6Zy7ZM0

ごろつきB「誰も金を渡せば女を返すとは言ってないぜ?」

律「そんな……!」

澪「ひどい……」

ごろつきA「最近人を斬りたくてウズウズしてたんだ」

ごろつきB「ちょっくらお前ら斬られてくれや」シャキーン

澪「ひいい!?」

唯「そんな……」

律「なんで……」

?「そこまでよ!」ババーン

一同「!?」



249:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/05(火) 01:43:36.92 ID:gy6Zy7ZM0

ごろつきA「誰だ!?」

和「その人達に手を出したら許さないわ!」

憂「お姉ちゃん!」

唯「!」

律「昨日の2人!」

ごろつきA「驚かせやがって!女が増えただけじゃねえか!」

和「それはどうかしら?」スチャ

憂「お姉ちゃんにこんなことして……絶対に許さない!」シャキーン

ごろつきB「おい、刀抜いたぞ」



253:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/05(火) 02:00:21.56 ID:gy6Zy7ZM0

ごろつきA「どうやらやる気のようだな」

ごろつきA「まとめて斬ってやる!」

カキーン カキーン

ごろつきA「な……!?」

ごろつきB「つ、強い……!」

律「すごい……!」

唯(あの人達……私を助けてくれようとしてる……)

唯(なんだろう……この感じ……)



254:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/05(火) 02:05:07.22 ID:gy6Zy7ZM0

唯(なんか……)

唯「……!」キーン

唯「あ……」

唯「わ、私……」

和「ふん!」バキーン

ごろつきA「なふ!?」

ごろつきB「お、おい!」

和「安心して、峰打ちよ」

ごろつきB「くっ!」

ごろつきB「憶えてろー!」ダッ

律「あ、逃げた」



257:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/05(火) 02:06:39.45 ID:gy6Zy7ZM0

憂「ふう……危なかった……」

唯「憂ぃ!」ギュッ

憂「お姉ちゃん!?」

和「唯、今憂って……」

唯「私、全部思い出したよ!」ブイッ

憂「お姉ちゃん!」パアア

澪「唯の記憶が戻った!?」

和「唯……お帰り……」

憂「お姉ちゃん……よかった……」

律「よかったな」

澪「ああ」



258:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/05(火) 02:10:41.96 ID:gy6Zy7ZM0

――うどん屋

憂「お姉ちゃんを助けにいってくれてありがとうございます」

澪「いや、私達じゃ何もできなかったよ」

律「でもどうして唯が誘拐されたことや、あの場所が分かったんだ?」

和「あら?そこは問題かしら?」

律「あ、いや……」

律(そういうもんなのか……?)

律「あ」

律「そう言えば、唯はどうしてお城を出て行っちゃったんだ?」



259:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/05(火) 02:15:53.25 ID:gy6Zy7ZM0

憂「私がお姉ちゃんの氷菓子を食べてしまったら、怒って飛び出して行っちゃったんです……」

唯「まったくひどいよ!憂は!」プンプン

律「そ、そうなんだー……」

律(たったそれだけ!?)

澪(唯らしいと言えば唯らしいか……)

和「唯はこれからどうするつもり?」

唯「え?」

和「あなた自身、どういう行動をするかってことよ」



260:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/05(火) 02:19:11.22 ID:gy6Zy7ZM0

唯「私は……」チラッ

律「……」

律「唯、お前はお城に帰らなきゃだめだぞ」

唯「……」

澪「そうだな」

澪「お城の人達に迷惑かけたんだ」

澪「ちゃんと謝ってこい」

唯「うん……分かった!」



262:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/05(火) 02:22:48.56 ID:gy6Zy7ZM0

――――

律「唯、元気でやれよ!」

澪「風邪引かないようにな」

唯「りっちゃん……澪ちゃん……」

律「ん?」

唯「うわあ~ん!」ギュッ

澪「唯……」

唯「やっぱり離れたくないよう……」グスッ

律「だあー!泣くな泣くな!」



263:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/05(火) 02:26:30.38 ID:gy6Zy7ZM0

澪「またいつでも会えるだろ?」

唯「うん……そうだね……」グスッ

律「いつでも遊びにこい!」

唯「うん!」

憂「お姉ちゃん……」

和「唯……いい人達に出会ったわね……」



264:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/05(火) 02:30:51.88 ID:gy6Zy7ZM0

――後日

紬「ええ!?じゃあ唯ちゃんは平沢家の当主様の娘だったの!?」

梓「私も実は見覚えがあると思ったんです……」

梓「平沢唯と言えば、三味線の世界では結構有名ですから」

律「じゃあどうして気付かなかったんだ?」

梓「名字まで分かればわかってましたよ」

梓「姿は以前遠巻きに見ただけだったんです」

紬「お父様も見覚えがあるって言ってたわ」

紬「以前演奏会で見たかもって」



266:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/05(火) 02:35:24.60 ID:gy6Zy7ZM0

澪「じゃあムギも会ったことがあったんじゃないのか?」

紬「私は外出を禁止されていたから……」

澪「あ、そっか……」

律「それでな~、唯から手紙が来てるんだ」

紬「なんて書いてるの?」ワクワク

澪「お城に遊びに来てくれって」

紬「是非行きたいわ!」

梓「私もです!」

律「うし!みんなで行くか!」



275:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/05(火) 03:17:46.77 ID:gy6Zy7ZM0
ここまでが書き直し部分です
台詞はいじりましたが、ストーリーはいじってません

ここからが元のやつの続編となります



269:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/05(火) 03:04:46.49 ID:gy6Zy7ZM0
――後日 平沢城

唯「……」チラチラ

憂「お姉ちゃん、中に入ってなよ」

唯「だって~、待ちきれないんだもん」

憂「お姉ちゃん昨日から楽しそうだったもんね!」

唯「うん!」

憂「あ、あれじゃない?」

唯「ほんとだ!」

唯「お~い!」

律「おーす!唯!」

澪「久しぶりだな」

紬「お菓子沢山持ってきたわ!」

唯「わーい!」



270:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/05(火) 03:07:46.95 ID:gy6Zy7ZM0

梓「こんにちは」

唯「あ~ずにゃん!」ギュッ

梓「わ、また急に……」

憂「みなさんこんにちは」

憂「中へどうぞ」

律「よっしゃあ!」

憂「あ、あなたが梓ちゃん?」

梓「え、うん」

憂「お姉ちゃん、いっつも梓ちゃんのこと話してるんだよ」

梓「え!?なんて?」

憂「あずにゃんは可愛いんだよ~とか、猫みたいなんだよ~とか」

梓「うう……」

憂「あ、私は平沢憂です」

憂「よろしくね!」

梓「うん!よろしく!」



271:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/05(火) 03:11:48.45 ID:gy6Zy7ZM0

――――

梓「ところで律先輩」

律「んー?」

梓「ずーっと疑問に思ってることがあるんですけど」

律「なんだー?」

律「お姉さんに聞いてみなさい」

梓「どうして唯先輩からあんなに美味しいダシがとれたんでしょう?」

律「……」

梓「……」

律「……」

梓(あれ?)



272:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/05(火) 03:13:45.57 ID:gy6Zy7ZM0

律「……梓」

梓「はい」

律「世の中にはな……触れて良い事柄と触れてはいけない事柄があるんだ」

梓「はあ」

律「私達がそれを知るにはまだ幼すぎるんだよ」

梓「律先輩も分からないんですね」

律「さーて、明日の仕込みしなきゃ」

梓「あ、誤魔化した」




第一篇 完



274:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/05(火) 03:14:24.81 ID:SB9XvyCYO
今気付いたけど澪存在薄いな




第二篇につづく 唯「昔ばなし!」